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【熱間押抜法の概要】 |
熱間押抜法の発展は、レールのガス圧接において圧接部をレール形状と同一に仕上げる為、 |
ガス圧接直後の赤熱状態で、ふくらみを押抜せん断する際に、圧接面に線状の傷が認められた |
ことによります。 |
この接合部は不良接合部とみなされ、作業軽減を目的に導入された熱間押抜法が、圧接部の |
品質管理に利用されるようになりました。 |
鉄筋の熱間押抜法は、ガス圧接部のふくらみを圧接終了直後の赤熱状態の時に、鉄筋外径より |
やや大きい寸法(通常鉄筋径1.2倍)の特殊形状の押抜刃によって押抜く後方です。 |
この押抜きによってふくらみが除去された圧接部表面に、不良圧接の場合は傷、凹み等の異常が |
現れるので外観目視検査を行うことによって圧接部全数の良否判定が容易に行うことができます。 |
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【熱間押抜法の特徴】 |
1.通常の圧接(従来法)においては、端面の異物付着、端面処理の不十分、加熱不良等による |
圧接部の欠陥をふくらみの形状だけで判別するのは困難であるが、ふくらみを押抜くことにより |
目視のみにて圧接部欠陥の有無の判別が可能です。 |
2.圧接直後に検査を行うことができると共に、工程中における不良箇所のチェックができます。 |
3.圧接部の外観検査を全数実施可能です。 |
4.施工直後に検査が完了するので、工程、工期の短縮が可能です。 |
5.判定の信頼性は超音波探傷検査と同等です。 |
6.特別な検査機器は不要で、目視できない裏側も鏡等による目視の検査が可能です。 |
7.欠陥の生じた不良圧接部は、即時に良好な圧接部を得る為の再圧接が可能です。 |
8.ふくらみを除去するので、帯筋の施工が容易であり、コンクリートの流し込みにも有利です。 |
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圧接作業 |
1.圧接器の取付け ※突き合せた隙間は3㎜以下(SD490は、2㎜以下) |
2.加圧器の圧力調整は鉄筋径に応じた圧力を設定する。 |
3.加熱器(吹管、バーナー)のガスもれ、吹込み点検を行い火炎調整を行う。 |
4.加熱、加圧作業 |
1)圧接器のラム受けにラムシリンダーを装着し、連結レバーを連結棒の溝の底に当るまで |
押しながら、手元スイッチにより加圧する。 |
2)加熱バーナーに点火し還元炎に調整した後、圧接端面から外れないように加熱し赤熱 |
状態を確認してから1次加圧(隙間の密着)を行う。 |
3)隙間が閉じた後、火炎を中性炎に調整し鉄筋表面と中心部の温度差がなくなるように |
圧接面を中心に鉄筋径の2倍程度を加熱する。 |
4)温度上昇を確認後2次加圧(ふくらみの形成)を行いふくらみ直径1.4倍以上、ふくらみの |
長さ1.1倍以上に仕上げる。(SD490の場合、ふくらみの長さは1.2倍以上) |
5.押抜き |
1)加熱、加圧作業終了後、手元スイッチを操作し加圧を戻すと自動的に連結レバーが外れ |
ます。 |
2)再び、手元スイッチを操作し加圧すると押抜刃が圧接部方向に全身します。 |
3)押抜刃が圧接部のふくらみを通過し、押抜きが完了するまで全身させる。 |
4)押抜完了を確認後、手元スイッチを操作して押抜刃を戻す。 |
6.作業直後の外観検査と再圧接 |
1)圧接部の押抜きが完了した時点で、押抜きされた圧接面に割れ、傷、凹み、加熱 |
(オーバーヒート)による表面不整等がないか、目視で確認する。 |
2)押抜きされた圧接面に欠陥が認められた時は、直ちに鉄筋をゆるめ圧接部を所定の位置 |
にして再締付けを行い、再圧接、再加熱にてふくらみを再生させる。 |
3)再び、1.4D以上のふくらみが生成されたら、再度押抜きを行い圧接面に欠陥がないか確認 |
し、良好ならば圧接は完了する。 |
4)押抜きされたふくらみ部は、リング状のツバ形として残るが、これはそのままでも問題はない。 |
しかし取除くことを要求された時は、押抜き後の出来るだけ早期に大型ペンチ等で除去をする。 |
また、取除く時に熱をもったリングによる火炎の危険があるので養成を行う。 |
7.圧接器の取外しは鉄筋加熱部の火色消失後とする。 |
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加熱時間・・・・圧接作業の加熱時間は、目安を下の表を表示する。 |
鉄筋の呼び径 |
D19 |
D22 |
D25 |
D29 |
加熱時間(秒) |
45~55 |
70~80 |
80~90 |
100~120 |
工法 |
手動 |
押抜 |
押抜 |
押抜 |
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現場名:JR一関 鉄建建設 耐震補強工事 |
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丘継ぎにてSD390D38押抜状況 |
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押し抜いている状況 |
完了 |
状況 |
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中央に欠陥は見られない |
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